最近、フィルムカメラの撮影が流行っていますね。今回、昔の写真のネガフィルムのデジタル化をしました。
僕の自宅には、デジカメが普及する前に撮りためたフィルム写真が大量にあります。
僕は以前、ネガフィルムに対応したスキャナーEPSON GT-F740でネガフィルムのデジタル化を始めました。
何千枚もある写真のネガフィルムを毎日コツコツとデジタル化していましたが、量が多すぎて全体の1/3ぐらいをスキャンしたところでずっと停まっていました。いつかやろうと思って数年が経ってしまいました。
大量のプリント写真とそのネガフィルムとアルバムは保管にかなり場所をとります。僕一人の写真だけでダンボール3箱分ありました。
今回、引越しを機会に身の回りの物を整理する中で、昔の写真は全てデジタル保存して、プリント写真とそのネガフィルムは処分しようと思い、残りのネガフィルムのデジタル化を再開しました。
この記事では、EPSONのスキャナーGT-F740を使って、ネガフィルムをデジタル化する方法をご紹介します。
EPSON GT-F740のソフトをインストール
以前、フィルム写真をデジタル化した時のスキャナーEPSON GT-F740を久しぶりに使ってみました。購入からかなり時間が経過しているので、ドライバーやソフトウェアが現在使用しているMacOSに対応しているか不安でしたが、無事に対応していました。
スキャナーのソフトはEpson ScanからEpson Scan2にバージョンアップしていました。
EPSON GT-F740のドライバーやソフトウェアはEPSONのホームページからダウンロードできます。GT-F740 ドライバー・ソフトウェアダウンロード
EPSON GT-F740の付属品
まずはEPSON GT-F740を見ていきます。
EPSON GT-F740の付属品は下記になります。
- USBケーブル(約1.8m)
- フィルムホルダー(35mmストリップ/マウント兼用)
- 電源アダプター
- ソフトウェアCD-ROM
- 操作ガイド
- 保証書
フィルムホルダーは、35mmのストリップフィルム(繋がっているフィルム)6コマと、マウントフィルム(1コマずつ枠がついたフィルム)4コマに対応しています。スキャンする時はどちらか片方になります。
EPSON GT-F740でネガフィルムをスキャン
それでは、EPSON GT-F740でネガフィルムをスキャンしていきます。
GT-F740でフィルムをスキャンするには、原稿カバーの裏側の原稿マットを上に持ち上げて外します。原稿マットが付いたままだとスキャンできません。
フィルムホルダーにネガフィルムをセットします。
フィルムホルダーのカバーを持ち上げ、ホルダーのイラストのようにネガフィルムの裏側が上になるようにセットしてカバーを戻します。この時に6箇所のツメがカチッと鳴るようにしっかりと取り付けます。
フィルムホルダーをスキャナーにセットします。
スキャナーの「フィルムマーク」を合わせて穴にはめ込みます。
スキャナーの電源を入れてから、Epson Scan2を起動します。
モードはフォトモードを選択します。
基本設定 の主な設定
- 取り込み装置:透過原稿ユニットを選択します。
- 原稿種:カラーネガフィルムを選択します。
- イメージタイプ:24bitか48bitか選択します。
- 解像度:ネガフィルムの場合、1200dpi〜4800dpiあたりから解像度とスキャン速度を考えて選択します。
- 品質:速度優先か画質優先か選択します。
プレビュー をクリックすると約30秒でプレビュー画面が表示されます。この画面で写真の向きを変えたり、 拡張設定 で画質の調整ができます。
拡張設定 では、退色復元やホコリ除去などの画質設定ができます。
プレビューされた写真を見て必要な設定ができます。
僕は 退色復元 や ホコリ除去 をよく使います。これらの設定は簡単ですが、写真が加工されてスキャンされますので、スキャン後には戻せません。大事な写真を修正したい場合はとりあえず加工無しでスキャンして、あとからフォトレタッチソフトで編集するとよいです。
プレビューを確認して スキャン をクリックするとスキャンが開始します。
僕のMacの環境下で、24bit、2400dpi、画質優先の設定でネガフィルム6枚をスキャンするのに約6分かかりました。
スキャンされた写真はあらかじめ設定した任意のフォルダに保存されます。ファイル名は連番や日付などから設定できます。
スキャン時間ですが、僕のMacの環境下で、24bit、2400dpi、画質優先の設定の場合、36枚撮りのフィルムだと
スキャン約6分×6回=約36分
プレビュー約30秒×6回=約3分
フィルム入れ替え時間約30秒×6回=約3分
で合計約42分かかります。
この時間には写真の確認や、色調補正などの時間は含まれませんので、実際はもう少し時間がかかります。
なので、単純計算で36枚撮りのフィルム1本をスキャンするのに最低約42分かかります。
写真の確認や、色調補正なども考えると、フィルム1本をスキャンするのに約1時間かかるとして、僕の手持ちの36枚撮りのフィルム約60本をスキャンする場合、1日1時間ずつ作業すれば約2ヶ月かかる感じですね。
イメージタイプと解像度について
イメージタイプの設定は24bitと48bitがあります。
人の目で識別できるのは24bitまでなので通常保存するには24bitで十分です。
スキャン後にフォトレタッチソフトで編集する場合は、色情報が多い48bitの方が、24bitと比べて編集後に階調飛びを抑えられますが、スキャン時間が長くなり、保存容量は倍になります。
フィルムスキャンの解像度は、写真をL版サイズでプリントするなら1200dpiが最適で、2L版〜A4サイズなら2400dpiが最適になります。それ以上の解像度はオーバースペックになります。
ディスプレイに表示する場合は、フルハイビジョン(1920×1080)は1200dpiが最適、4K(3840×2160)は2400dpiが最適になります。
解像度が2倍になると、データ容量は4倍になります。
つまり、2400dpiは、1200dpiの4倍のデータ容量になります。
プリントサイズ/モニター画質 |
1200dpi
|
2400dpi
|
---|---|---|
L版/HD |
最適
|
オーバースペック
|
2L版〜A4/4K |
荒い
|
最適
|
写真のデジタル化サービス
大量の写真をデジタル化するには、サービスを利用するのも手です。
僕は以前、昔の写真全体の約1/3にあたる約1000枚をデジタル化していますので、残りは約2/3の約2000枚です。これだけの量をデジタル化するにはかなりの時間がかかりますので、残りの写真は、写真のデジタル化サービスを利用して一気に写真をデジタル化することにしました。僕が申し込んだのは、写真のデジタル化で有名な「節目写真館」です。写真のデジタル化が完了したらレビューしようと思います。
EPSON GT-F740でスキャンした写真
下記の写真は、コンタックスの銘記「Contax IIa」で撮影したネガフィルムを、24bit、2400dpi、画質優先でスキャンした写真です。まるで昔の写真のように、全体的にザラザラしていて発色が淡く、ぼやけています。古いデジカメやスマホのような味があります。
京都蹴上のインクラインの桜
Contax IIa/Sonnar 50mm F2
京都祇園の家並
Contax IIa/Sonnar 50mm F2
京都伏見濠川の三栖閘門
Contax IIa/Sonnar 50mm F2
ネモフィラとノースポール
Contax IIa/Sonnar 50mm F2
参考記事
さいごに
ネガフィルムの写真やプリント写真は時間が経てば劣化しますし、自宅の大量の写真は保管場所をとります。現在の写真はデジカメやスマホで撮るデジタル写真が主流なので、同じようにデジタルで保存すれば管理しやすくなります。しかしハードディスクなどの保存機器の故障でデータを失う可能性があるのでバックアップは欠かせません。
その点ネガフィルムの写真やプリント写真は場所をとりますし、劣化することはありますが、管理が悪くなければ少なくとも自分が生きている間は保存できます。そこを踏まえて写真整理をしていこうと思います。