最近、昔のCDをメルカリで探すことが多く、気になるアルバムの詳細をよく見たら、CDではなくLPレコードという事がたまにあります。
僕はレコードプレーヤーを持っていませんが、子供の頃、祖父の家にレコードのオーディオシステムがあり、音楽を聞いたことがありますが、あまり覚えていません。
改めて、レコードを調べてみると、最近ブームになっており、CDより音が良いという意見が多いので、どんな音質なのか、何が良いのか、レコードを聞いてみたくなりました。
2021年現在、音楽はストリーミングが主流で、スマホやスマートスピーカーで簡単に聞ける時代ですが、敢えてアナログで、操作が面倒なレコードプレーヤーを購入しました。
この記事では、レコードプレーヤーを購入するにあたり、調べてわかったことと、オーディオテクニカ「AT-LP60X 」のレビューをご紹介します。
レコードを聴くのに必要なもの
CDは、CDプレーヤーをスピーカーに繋げば聞けますが、
レコードは基本的にレコードプレイヤーをスピーカーに繋いだだけでは聞けません。レコードプレイヤー以外にも必要なものがあります。
フォノイコライザー
レコードの盤面の溝に音が記録されていますが、低音は音量を下げて記録され、高音は大きめに記録されています。
なので、これらを元に戻すのが「フォノイコライザー」です。
フォノイコライザーは、レコードに記録された音を元の音に戻し、信号の出力レベルを上げる役割があります。これがなければ高音が強調された小さな音しか出ません。
最近のレコードプレーヤーには、フォノイコライザーが内蔵されているものもあるので、その場合は必要ありませんが、内蔵ではなく別々の方が音質は優位です。
アンプ(プリメインアンプ)
アンプは、フォノイコライザーから出力された音を、さらに増幅したり、音量や音質を調節するために必要です。
アクティブスピーカー(アンプ内蔵)の場合必要ありませんが、こちらも内蔵ではなく別々の方が音質は優位です。
スピーカー
スピーカーは、アクティブスピーカー(アンプ内蔵)とパッシブスピーカー(アンプ非内蔵)があり、アクティブスピーカー(アンプ内蔵)であれば、アンプに繋ぐ必要はありません。こちらも内蔵ではなく別々の方が音質は優位です。
レコードプレーヤーの種類
レコードを聞くためには、レコードプレーヤー、フォノイコライザー、アンプ、スピーカーが必要ですが、これらの機能のうち、複数の機能が内蔵されている商品があります。
フォノイコライザー非搭載レコードプレーヤー
一番シンプルなレコードプレーヤーです。音楽を聞くためにはフォノイコライザー、アンプ、スピーカーを別に用意する必要があるので上級者向きです。
フォノイコライザー搭載レコードプレーヤー
レコードプレーヤーにフォノイコライザーが内蔵されているので、アンプとスピーカーもしくはアクティブスピーカー(アンプ内蔵)を繋げば聞けます。フォノイコライザー機能をオフにして単体のフォノイコライザーに繋げば、より高音質で楽しむこともできます。
自宅にコンポやアクティブスピーカーがある人向けです。
フォノイコライザー、アンプ、スピーカー搭載レコードプレーヤー
全部一体型なので、このレコードプレーヤーのみで音楽を聴く事ができます。
内蔵スピーカーで聴けますが、外部スピーカーに繋いで聞くこともできます。手軽にレコードを楽しみたい人向けです。
どのレコードプレーヤーにする?
僕は、音質マニアではありませんが、せっかくレコードを聞くので、レコードの良さを味わいたいと思っています。でもあまり高級なものには手が届きませんし、かといってあまりリーズナブルなものは音が良くなさそうです。
僕が選んだレコードプレーヤーは、レビューを参考に評価が高かったオーディオテクニカ(audio-technica)の「AT-LP60X 」です。
オーディオテクニカは、信頼のおける日本の音響機器メーカーです。
AT-LP60X の価格は、約1万円で、フォノイコライザーを搭載してるので、自宅にあるステレオシステムですぐに音楽を聞けます。フルオートなので、スイッチ一つで再生でき、オートストップ機能があるので、音楽が終わると自動的に停止します。
なのでAT-LP60X は、リーズナブルだけど、操作が簡単でレコードの音質の良さをそこそこ味わい人向けです。
オーディオテクニカ「AT-LP60X」レビュー
僕はAT-LP60XをAmazonで、1万円ちょっとで購入しました。
付属品です。プラッターを本体に取り付ける必要があります。
ターンテーブル本体です。
プラッターを本体の軸にはめ込みます。
プラッターの開口部にはゴムのドライブベルトを引っ張るためのリボンが固定されています。
ドライブベルトをリボンを使って引っ張り、金色の部品にかけ、リボンを抜きます。
トーンアームを固定しているビニタイを外します。カートリッジにはプロテクターが付いているので、レコードを再生するたびに外します。
プラッターにフェルトマットを敷きます。
そして最後に、アームボタン(右端)を押してアームを上げ、手でゆっくりとプラッターを時計回りに10回転させてベルトを馴染ませます。
正面左端には回転セレクターボタンがあります。プラッターの回転数を、33回転か45回転を選びます。
正面右側です。(写真↓)
左から
・スタートボタン
押すとプラッターが回転してトーンアームが移動してレコードが再生されます。
・ストップボタン
トーンアームが戻り、プラッターが止まり、レコードの再生が終了します。
・アームボタン
トーンアームが上下します。手動で針をレコードの任意の場所に落とす時に使用します。
右上
・サイズセレクター
レコードのサイズを選びます。12"(30cm)、7"(17cm)
背面です。(写真↓)
左から
・PHONO/LINE切換スイッチ
AT-LP60Xはフォノイコライザー機能を搭載しています。
PHONO側にすると、フォノイコライザーで補正されていない原音が出力されます。フォノイコライザーアンプに繋ぐ時にLINEを選択します。
LINE側にすると、フォノイコライザーで補正された音が出力されます。アンプやスピーカーのAUX端子に繋ぐ時に選択します。
・ステレオ出力端子
オーディオケーブルのステレオミニプラグを繋ぎます。
・電源入力端子
ACアダプターを接続します。
ダストカバーにはヒンジがあり、約50度開いたところで止まります。
ダストカバーは、真っ直ぐ上に持ち上げるとヒンジが抜けて外せます。
ヒンジ部分も抜けます。
ダストカバーを外すとあっという間にレコードに埃が付くので、あまりダストカバーを外すことはないかも知れません。
テレビのオーディオシステムに繋いで設置してみました。
AT-LP60Xには電源ボタンがありません。コンセントを繋ぐと電源が入ります。
それではレコードをかけてみます。
スタートボタンを押すと、自動的にトーンアームが移動してレコードの再生が始まりました。針がレコードの溝に落ちた時に、レコード特有の「バチッ」という音が鳴り、音楽が流れました。本当に「バチッ」と鳴るんですね。
レコードにはスキップ機能がないので、任意の曲に移動する場合は手動になります。右端のアームボタンを押すとトーンアームが上がるので、手で任意の場所に移動してもう一度アームボタンを押してトーンアームを落とします。曲と曲の間の無音部分には線が入ってるので、その線を目安に曲を選びます。
1台のアンプやアクティブスピーカーを、レコードプレーヤーとそれ以外のスマホなどの再生機器を兼用する場合、AVセレクターがあればスイッチ一つで切り替えが出来るので便利です。
レコードとCDの音質はどう違う?
レコードはCDと比べ再生周波数帯域は同等、もしくはそれ以下と言われています。
CDは、アナログマスターをデジタル化する時に、情報の欠損が発生します。レコードの音の波形は、滑らかな曲線を描くのに対し、CDはギザギザの曲線になります。しかしCDは、レコードのようにノイズや回転ムラや外周と内周の音質差などの欠点を改善しています。
実際に同じ曲をレコードとCDで聴き比べてみたところ、CDの音質はシャープで、無機質で冷たい感じなのに対し、レコードの音質はCDと比べると、暖かみがあり、音が響き、まるで目の前で歌手が歌い、演奏してるかのように聞こえます。
レコードの音質は、ターンテーブルやカートリッジ、スピーカー、アンプなどの再生機材の性能にも影響されるので、奥が深いですね。レコードの良さを味わいたいなら、最低1万円以上のレコードプレーヤーをお勧めします。
さいごに
レコードは、音楽を聴く前に、針や盤面をクリーニングしたり、曲はスキップできないので最初から聞いたり、A面が終わればひっくり返したり、
そしてレコード盤は傷が付かないように慎重に扱い、収納に場所を取ります。1枚のアルバムを再生するだけでも手間がかかります。
今や、曲はスマホでタップするだけで簡単にストリーミング再生できる時代に、敢えて、わざわざ手間をかけて、良い音を聞くことによって、音楽と向き合えて、音楽を楽しむという実感が湧いてきます。レコード、いいですね。